側弯症は10歳以降の思春期の女児に多くみられ、
原因がはっきり分かっていない側彎症の事を
“特発性側弯症”と言います。
側弯症
まず脊柱について詳しくお伝えします。
正常な脊柱とは
人間には体の真ん中に、脊柱(背骨)があり、
頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個、仙椎1個で構成されています。
脊柱は前から見ると真っ直ぐですが、
横から見ると、
頚椎と腰椎は前方に、胸椎は後方に弯曲して
S字状カーブを描いています。
また、赤ちゃんの腰椎は真っ直ぐで,
歩けるようになるころ腰椎に前弯が出現します。
さらに直立二足歩行しない類人猿には
腰椎の前弯はないことから、直立二足歩行にとって
腰椎の前弯が必要不可欠であると思われます。
側彎症の症状
側弯症とは、体の中心にある脊柱がねじれを伴って
左右に弯曲している病気です。
背骨の痛みなどはほとんどありませんが、
まれに凝りや疲れやすさを訴えたりする場合もあります。
一般的には成長とともに変形も止まります。
しかし、弯曲の程度が大きい場合などは、
成長が止まっても徐々に変形が進んでしまい、
外見からも姿勢のゆがみが分かるようになります。
さらに、曲がった背骨が内臓を圧迫して、
*心臓や呼吸器、消化器の機能低下
*歩きにくい、歩くと疲れやすい
*重篤な呼吸機能の障害や心不全
といった症状を招くケースもあります。
このような状態にならないように、
早期発見することで、
治療の必要なものかどうかを慎重に判断し、
必要であれば適切な治療を受け
進行を抑えることが必要になります。
軽度のうちに見つかれば、経過観察だけで済み、
特に制限はありませんので過度に恐れる必要はありません。
思春期側弯症とは
“特発性側弯症”は側弯症全体の約80%を占めており
軽度まで含めると子どもの100人に1〜2人にみられます。
特徴
特に小学校高学年から中学校の女子での発症率が2.5%と、
思春期の女子に好発する
『思春期側弯症』がもっとも多いとされています。
更に男子に比べ女子の方が約7倍発症しやすいともいわれています。
また、遺伝的な要因もあるため、両親や兄弟、姉妹に
側弯症の方がいる場合は、発症率が少し高くなります。
しかし特発性側弯症は、発症原因が不明のため
予防法が確立されていないので、
早期に発見し、いち早く治療を行い
変形を抑えていくことが何よりも大切になります。
そのためにも自宅での側弯症のチェックが重要になります。
ここからは、側弯症のチェックの方法をお伝えします。
特発性側弯症のチェック
殆どの場合、本人には自覚症状がないので、
親御さんがお子さんの体をチェックしてあげましょう。
お子さんが上半身の服を脱いだ状態で見ていきましょう。
直立状態でチェックする場合
まっすぐ立った状態で後ろから見て、左右の肩のバランスや
腰のくびれ方に差がないか確認しましょう。
前屈させた状態でチェックする場
両方の手のひらを合わせて両腕を前に垂らし、
膝を伸ばしたまま前屈させます。
その際、肩や背中が平坦か、隆起がないか
左右に高さの差がないかを確認してください。
まとめ
側弯症は検診がある小中学校でも見逃すリスクもあり、
知らずに放置すると症状が深刻になることもあります。
大切なのは、普段からお子さんの体の変化に気を付け
「何か変だな」と感じたら、すぐに受診することです。