“椎間板”とは、背骨を構成する骨同士をつなぎ
衝撃をクッションのように吸収する役目を持つ
骨の間にある組織です。

それが、つぶれたり、変性して後ろに飛び出してしまう事を
椎間板ヘルニアと呼びます。

椎間板ヘルニアは首（頸）から腰まで、
どの場所にも発生する可能性があり、生じる場所によって

＊頚椎椎間板ヘルニア
＊胸椎椎間板ヘルニア
＊腰椎椎間板ヘルニア

に分けられます。

椎間板ヘルニアでは頚椎・胸椎・腰椎の
どの部位にヘルニアが出たかでも症状が変わります。

椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎では、首や肩、背中が痛かったり
手の痛み・しびれ、動かしにくい、力が入りにくい
という症状が出ます。

指先にしびれが生じると、
箸を使う・洋服のボタンをかける、
といった作業がしにくくなります。

さらに足のもつれ、足もしびれる、歩きにくい等の
歩行障害が出ることもあります。

症状が悪化すると、

＊腕が上がらない
＊肘が曲がらない
＊握力や足の筋力の低下
＊筋肉の萎縮

といった症状がみられるようになります。

胸椎椎間板ヘルニア

胸椎のヘルニアは、あまりできることがありませんが
症状は、脚に出てきます。

太ももやふくらはぎのしびれや痛み、
筋力の低下や歩き方がおぼつかなくなったりします。

最悪、歩けなくなることもあるので注意が必要です。

また、背中の痛みを感じたり、
脇に放散する痛みがあることもあります。

これを、肋間神経痛と言います。

肋間神経痛は症状を表す言葉で、
痛みは、通常、右か左のどちらか一方に現れる事が多く
針で刺されたような痛みが、繰り返し起こります。

痛みの時間は短く、咳やくしゃみ、車の振動など
動いた時に激痛を伴います。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアの症状は、
＊突出した椎間板の位置や大きさ
＊神経の圧迫の強さ

などによって異なります。

殆どが坐骨神経痛と言われる足のしびれや痛み、
動かしにくい、力が入りにくいという症状が出ます。

坐骨神経は腰のあたりから足の裏、爪先までありますが
お尻や足の側面、裏側、前面、足の指先など
下半身のどこにでも出る可能性があります。

安静にしていると2～3週間ほどで
症状が治まる場合が多いようですが
歩行や睡眠に支障をきたすケースも少なくありません。

神経の圧迫が強い場合は、

＊脚に力が入りにくくなる
＊筋力が低下する

といった症状が引き起こされ、
自然に症状が改善することは少なく、

痛みの出ない姿勢を取るため不自然な体勢になり
その姿勢が継続されることで
脊椎が横に曲がった状態になることもあります。

原因について

椎間板ヘルニアは、体の重みを支えている椎間板が
劣化することで起こります。

椎間板が劣化する原因は、
加齢、生活習慣などが挙げられます。

姿勢（反り腰や猫背など）

椎間板ヘルニアの原因になりやすい姿勢は、
反り腰と、猫背です。

この姿勢は、直立の状態で
重心が腰よりも後ろにかかるため、
椎間板への負荷が大きくなり
ヘルニアの原因になることがあります。

体重が重い

上半身の重さは全体重のおよそ6割といわれているた
体重が重い方はそのぶん椎間板にかかる負荷も大きくなります。

加齢

人間は、加齢によって体にさまざまな影響が起こりますが
椎間板も加齢とともに劣化していきます。

生活習慣

＊長時間座っている
＊長時間立っている
＊同じような動作を反復する

といった体に負荷がかかる生活習慣を続けている事も
原因の一つになります。

喫煙

椎間板は、
その上下にある組織の毛細血管から血液をもらい
ゆっくりと再生を繰り返しています。

喫煙は血流を悪化させるため、
椎間板の再生が遅くなり、
劣化や変性が起きやすいと言われています。

まとめ

如何でしたか？

椎間板ヘルニアにはヘルニアが発生する箇所によって
症状が違う事がお分かり頂けたのではないでしょうか？

すこしでも、いつもと何か違う・・・

といった症状が出た場合は
早めの受診をおすすめします。