四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)の原因は、
未だはっきりと解明されていません。
はっきりとした原因が無くても起こり、
肩関節が痛みます。
四十肩・五十肩の原因
そんな中で一つ考えられる事として、
関節を構成する骨・軟骨・靱帯(じんたい)や腱(けん)
などが少しずつ老化し、
柔軟性が失われスムーズに動かなくなる、
と言う事があります。
それにも関わらず無理に肩を動かそうとして
負担をかけるため
炎症や痛みを引き起こすと考えられています。
更に、その他の要因として、
生活習慣やストレス、ホルモンバランスの変化
といった事が重なり発症のきっかけになるといわれています。
また四十肩・五十肩は、40代以降の人に発症しやすく
”利き腕の方が発症しやすい”とは言えず
左右の発生率についても違いは無く
男女差もありません。
ただし、若い時に野球などのスポーツや
仕事で肩を酷使した人や猫背になりやすい人に
発症しやすい傾向があるようです。
夜間痛とは?
四十肩、五十肩で悩まされる事のひとつに、
就寝時にも痛みが出る「夜間痛」がある為、
寝不足になる事があげられます。
夜間痛の原因
特にあお向けで寝ると、痛みが強くなるようですが
なぜ寝ている時に肩の痛みが出るのでしょうか。
実際に肩が痛くて眠れない人は肩が浮き上がっています(図①)
(図①)
この状態だと寝ている間も、肩の位置を保とうと
力が入り続けるため、
筋肉のコリや痛みの物質が蓄積してしまいます。
更に腕の重さで肩の位置が押し下げられ肩が沈む事で
肩関節の前が伸ばされ負担がかかるため痛みが増します。
つまり就寝時の対策としては、図②のように
肩が押し下げられないように、
この浮いた隙間を埋めるような寝方を
工夫することが大切になります。
(図②)
そこで、ここからは
楽に寝れる方法をお伝えしていきます。
楽に寝れる姿勢
仰向けで寝る場合
痛い方の腕の下に肩より少し高い位に、
バスタオルやクッションを
肩甲骨の下までしっかり入れましょう。
腕の下に敷いたタオルなどを
自分で楽だと思う高さに調整すると
痛みをやわらげるのに役立ちます。
また肘を伸ばした状態でも
肩に痛みが出ることがあるので
肘の下にもタオルなどを敷き
肘を曲げお腹の上に手を置きます。
この時お腹の上にもタオルを置きます。
横向きに寝る場合
肩の関節は体の内側に向いているため、
痛みのある方を上にして
横向きに寝るのも対処法の1つになります。
横向きになるときは、
肩関節にかかる負担を軽減するため、
肩が押し下げられないように、
高さを保つための抱き枕や、
丸めた毛布などを抱えるようにして寝ましょう。
枕の高さ
また寝る時の枕の高さにも工夫が必要です。
枕が高すぎると、
首や肩周りの筋肉が引き伸ばされるので痛みが出ます。
逆に低すぎると
首や肩周りの緊張を高めるため肩に負担がかかります。
(図③)
このような場合には、首から肩への負担も緩和する為に
図③のように枕から上半身、下半身にかけて
傾斜をつけると楽に寝ることが出来ます。
まとめ
四十肩・五十肩で夜間痛を訴える人は多くおられます。
夜眠れないとストレスが溜まったり
疲れが取れず痛みが増してしまう事もあります。
しかし、今回ご紹介したような、
ちょっとした工夫で
就寝時の肩関節にかかる負担を減らすことができ
痛みを軽減できますので、この記事を参考に、
自分にあった寝具の調整を心がけて、
質の良い睡眠をとるようにしましょう。
五十肩の痛みは辛いものですが、
この記事が少しでも参考にしていただけたら幸いです。