四十肩・五十肩も肩こりも、
痛みがあるのは同じ肩周辺なので、
区別がつきづらい症状と言えます。
四十肩・五十肩の初期症状は、
痛みがわずかしか伴わない為、
肩こりとの区別が難しいと言えます。
では、四十肩、五十肩と肩こりはどのように違うのか・・・
詳しくお伝えしていきたいと思います。
四十肩・五十肩と肩こりの違い
結論から言いますと、
*肩こりは「筋肉疲労による痛み」
*四十肩や五十肩は「炎症」
になります。
肩凝りの特徴
肩こりは筋肉の緊張からくる、
首から肩にかけての筋肉疲労により
血液循環が悪化して張りや痛みを引き起こします。
原因として
*習慣化した姿勢の悪さ
*運動不足
*ストレス
などがあります。
痛みの範囲は、
首の後ろから背中にかけて幅広い部位ですが
多少痛くても肩を自由に動かすことはできます。
四十肩、五十肩の特徴
四十肩・五十肩の特徴は、
特にきっかけもないのに肩がひどく痛くなり
次第に痛みが増していくことです。
はっきりとした原因は分かっていませんが、
老化などにより、肩関節に炎症が起こり
痛みが生じると言われています。
その為、中年以降に発症する事が多く、
痛みで腕が上がりにくかったり、
腕の可動域が制限されたりします。
さらに長年にわたって
*長時間同じ姿勢で作業する
*関節を酷使する日常生活を送っている
といった方は注意が必要です。
痛みの違い
肩こりは幅広い部位が痛くなるのに対して
四十肩・五十肩の痛みは左右どちらかの
肩関節の周囲に限られるといった違いもあります。
また四十肩・五十肩は痛みだけでなく
肩関節の運動制限を伴うため、始めのうちは、
髪をとかす動作や後ろに手を回すなどの動作が
つらくなってきます。
さらに悪化すると夜寝ているときに痛くなる
「夜間痛」が起こり、
痛みのために寝返りがうてない、
眠れないなどの症状が出る場合もあります。
殆どの人が、半年から1年で自然に治りますが、
治療も何もせず放置してしまうと、
関節の周囲が硬くなる
“肩関節拘縮(こうしゅく)”を起こして
肩を動かせる範囲が著しく狭くなります。
ひどい拘縮になってしまうと
リハビリで元に戻すことはとても難しく
手術が必要になる場合もあります。
四十肩・五十肩の症状の進行
症状の進行状態は、大きく3段階に分けられ、
適切な治療を受けた場合は、通常半年程度、
症状が重い場合も1年程度で改善して行きます。
しかし、治療を受けないと、関節の周囲が硬くなる
“肩関節拘縮(こうしゅく)”を起こし
関節可動域が狭いまま固定され、
腕の動きの制限が残ってしまう場合もあります。
急性期
発症して数週間から2か月程度で
肩関節で無菌性の炎症が起こっている状態で
炎症が最も強い時期になります。
痛みは肩と腕全体に生じます。
症状として
*腕を動かすと痛みが強く出る
*服の着替えで苦労する
*痛みのある方を下にして寝れない
などがあります。
痛みのために寝返りがうてない、
眠れないなどの夜寝ているときに痛くなる
「夜間痛」が起こるのもこの時期です。
慢性期
痛みがありつつも安静時には痛みを感じない時期です。
この時期は急性期に関節が炎症を起こした後で、
肩関節周囲組織の癒着が起こり、
関節可動域が狭くなり運動範囲が制限されます。
そのため、
腕が上がらない症状はこの時期に一番強く感じ
腕を後ろに回したり、
まっすぐ前に向けて肩の高さに上げると痛みが強く出ます。
しかし痛みがあるからと何もしないでいると、
動かなくなりますので肩関節運動が重要になります。
回復期
治療開始に伴い徐々に筋肉の硬さが改善され、
痛みも減り、少しずつ腕を動かせるようになります。
回復するまで、数か月から半年、
重症の場合は1年くらいかかることもあります。
まとめ
四十肩・五十肩と肩こりの違いは
四十肩・五十肩は”肩関節の炎症”であり、
肩こりは、筋肉疲労や血行不良などによる
“筋肉の痛み”で根本的に異なります。
また肩がどの程度動くかで単なる肩こりなのか、
四十肩や五十肩なのかを区別できますので、
自己診断するのではなく、きちんと専門の治療を受けましょう。